カエデは世界に約100種類あり、主に北半球の温帯に生息しています。
その中で、日本には約20種類のカエデがあり、トウカエデ(唐楓)は街路樹や庭木で最もよく見かけるカエデ科の落葉樹です。
トウカエデ(唐楓)は名前の通り、江戸時代の18世紀頃に中国から渡来したカエデです。
現在では、日本在来種のカエデよりも街中で見かけるようになりました。
トウカエデ(唐楓)の意外と知らない紅葉の名所と魅了を紹介!
他のカエデ同様に、秋には赤色や黄色に美しく紅葉します。暖かい地域では、真っ赤に紅葉することは少なく、鮮やかな黄色や橙色の紅葉が多いようです。
例年、12月初旬頃になると見事に色づきます。
紅葉する理由については ”紅葉はなぜ赤色なのか?もみじ狩りの由来と魅力を解説!” で詳しく紹介しております。
トウカエデ(唐楓)の直立した幹から、太い枝が四方に伸び、樹皮はこぶ状で、力強い樹形を作ります。
成長がさほど早くなく、剪定に強いため、こじんまりとまとまった樹形に仕上げることができます。
また、秋の紅葉の他にも、春の新葉がピンク・白・黄色と変化し、夏には涼しげな緑が茂り、非常に美しい木です。
そのため、春夏秋冬の移り変わりを感じさせるトウカエデ(唐楓)は、街路樹や庭木として人気があるのでしょう。
トウカエデ(唐楓)の葉の特徴と魅了を紹介!
トウカエデ(唐楓)の葉の形状は、浅く3つに切れ込みが入っており、チューリップや水かきがついたカエルか河童の手のようです。
トウカエデ(唐楓)の若木や徒長枝の葉は、古い枝の葉と形が異なり、鋸歯のある、ギザギザした大きな葉が出ることがあります。その反対に古い葉は、鋸歯が目立たず、柔らかな葉の形状です。
また、トウカエデ(唐楓)の実も、羽が開いたようで、まるで蝶々が飛んでいるような面白い形をしています。
トウカエデ(唐楓)を見かけた際は、ぜひ一度、観察してみて下さい。
トウカエデ(唐楓)の別名:三角カエデ
トウカエデ(唐楓)は、中国から渡来したことを表す「唐」と、葉の形がカエルの手に似ていることから由来した「蛙手(かえで)」が組み合わさった名前です。
また、トウカエデ(唐楓)は別名「三角カエデ」と呼ばれています。
これはトウカエデ(唐楓)の英語名「trident maple」に由来します。
「trident」とは「三叉槍(さんさそう)」のことで、ギリシャ神話の海と津波を司るポセイドンが持っている槍のことです。
このように、トウカエデ(唐楓)の特徴的な葉の形が名前となり、人々に親しまれています。
東福寺 -別名の由来となった紅葉名所-
東福寺は、秋の紅葉や初夏の青紅葉が楽しめる紅葉名所として有名です。
また、渓谷を埋めるカエデの美しさを観に、数多くの人が訪れます。
その中でも、東福寺内にある通天橋の付近にはたくさんのトウカエデ(唐楓)が植栽されています。
その美しさから、トウカエデ(唐楓)は別名「通天楓」と呼ばれています。
浜離宮恩賜庭園 -吉宗公ゆかりの紅葉の名所-
東京・浜離宮恩賜庭園は江戸時代に作られた大名庭園で、紅葉名所として有名です。
浜離宮恩賜庭園には、日本に初めて伝来したトウカエデ(唐楓)が植栽されています。
中国から長崎へ伝来したトウカエデ(唐楓)5株が、徳川幕府八代将軍・吉宗公に献上されたという記録が残っています。
浜離宮恩賜庭園のトウカエデ(唐楓)は、吉宗公が直接お手植えしたと伝えられており、「吉宗公ゆかりのトウカエデ」として、秋の紅葉を彩っています。
浜離宮恩賜庭園では、紅葉したトウカエデ(唐楓)が、水面に美しく映える姿を楽しむことができます。
是非、一度訪れてみてはいかかでしょうか。
カエデの主な種類一覧
それぞれの「カエデ」をクリックすると、”Wikipedia”などの各紹介ページに移ります。
気になる樹種があればクリックしてみて下さい。
現在、東京の街路樹には、約40000本のトウカエデ(唐楓)が植えられています。
この数は。東京に植栽されている街路樹の樹種の中で、第4位の数を誇ります。
ちなみに1位はイチョウ、2位はハナミズキ、3位はサクラです。
イチョウについては ”なぜ街路樹には銀杏の木が多い?秋を彩る紅葉「イチョウ」の特徴と魅力を解説!” で詳しく紹介しております。
トウカエデ(唐楓)は、交通量の多い場所では、排気ガスにより真っ黒になっていますが、本当は明るい灰褐色の樹皮をしています。
なぜトウカエデ(唐楓)が、数多くあるカエデ科の中で、街路樹として主に植えられているのでしょうか。トウカエデ(唐楓)の特徴をまとめると、、、
これらの点が、街路樹として適していると考えられます。
ちなみに、実はあまり認知度が高い木ではないので、伐採する際に反対運動が起こりにくいとされている理由もあるそうです。
以上が「トウカエデ(唐楓)の意外と知らない紅葉の名所と魅力を紹介!」の解説になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。
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