ユリノキは街路樹や公園樹として目にすることが多く、イチョウと共に、美しく黄色に紅葉する秋の代表的な存在です。
イチョウよりも褐色がかった黄褐色で、その樹高や樹形、葉の形は美しさと品格を持っています。落葉後は褐色になり、これもまた見事です。
晩秋になり葉が落葉した後は、カエデの果実を大きくしたような翼果の束が、風に乗りくるくると飛んでいきます。
イチョウについては「なぜ街路樹には銀杏の木が多い?秋を彩る紅葉「イチョウ」の特徴と魅力を解説!」で詳しく紹介しています。
カエデについては「トウカエデ(唐楓)の意外と知らない紅葉の名所と魅力を紹介!」で詳しく解説しています。
ユリノキの名前の由来と葉の特徴を紹介!
ユリノキはギリシャ語で「Lirio(ユリ)-dendron(木) tulipifera」という学名です。
花が百合に似ていることから「ユリノキ」と大正天皇が命名しました。
また「tulipifera」はチューリップの様な花を付けるという意味です。
葉の形が半纏(またはTシャツ)に似ていることから「ハンテンボク」とも呼ばれます。
また、花の形がチューリップに似ていることから「チューリップツリー(英名)」という別名があります。
春に2つに折りたたまれた葉(Tシャツ)が開く瞬間は、とても可愛らしいです。
セントラルパークとの意外な関係と歴史を紹介!
ユリノキは落葉樹で、原産地のアメリカでは樹高60m、直径3mにも達します。ニューヨーク・セントラルパークにユリノキ並木があることで有名です。
ユリノキはまっすぐに幹を伸ばすので、ユリノキ並木はまるで針葉樹林です。
モクレン科の中でもユリノキは原始的な種類で、アメリカでは5千万年前にはすでに生育していたとされています。
明治初期に、アメリカ人学者のデービット・モレーから、植物学者の伊藤圭介に30粒の種子が贈られたとされています。
そして、現在の新宿御苑に植栽されたのが最初であるとされています。
また「シナユリノキ」は中国産のユリノキで、樹高は最大でも15m程度で、花もやや小さいです。
その他の特徴はユリノキと全く同じなので、庭木にする際はこちらの方が良いかもしれませんね。
ユリノキの蜂蜜や木材としての特徴を紹介!
花蜜は良質で、香りも非常に良いです。他のモクレン科の樹木は、香りだけで蜜はないので、ユリノキは訪れた蜂や鳥に対して良心的です。
ユリノキから作られる蜂蜜は非常に美味とされています。
樹皮は苦く、防虫剤や防腐剤にも用いられており、病虫害には強いですが、花はカラスをはじめとした鳥獣の被害に遭いやすいです。
ユリノキ材は加工しやすく、楽器、建材、家具、ソーダパルプ、ベニヤ板(アメリカホワイトウッド)に利用されています。
最後に -ユリノキの花言葉-
ユリノキの花は花言葉で「幸福」だそうです。ユリノキを見て、ぜひ皆さんも幸せになって下さいね。
以上が「ユリノキ(百合の木)の紅葉の魅力と歴史を紹介!セントラルパークとの意外な関係とは!?」の解説になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。
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