カシワ(柏)は、中部以北から北海道に多く自生するブナ科コナラ属の落葉樹です。
ドングリはクヌギに似て丸いです。
ミズナラとの中間種が多く、色々な樹種が自生しています。
カシワやミズナラは樹皮が厚く、山火事に耐えることで有名です。
そのため、火災後の跡地に樹木が残っていることが多いです。
北海道のミズナラ林や、智異山のチョウセンミズナラ林は、火災によって残ったミズナラが繁殖し広がったと言われています。
ミズナラやドングリについては、以下で紹介しています。
十大家紋の一つ「丸に三つ柏」
柏餅でおなじみのカシワの葉は、黄褐色・赤褐色に紅葉し、枯れても春先まで落葉せずに残り続けます。
また、春に若葉が開くと同時に花をつけることで知られています。
このように、古葉と新葉が絶えることなく入れ替わることから、代が途切れない縁起のよい樹木として、古くから庭木として植栽されていました。
カシワの葉をモチーフとした「丸に三つ柏」は十大家紋の一つとされ、三菱の「スリーダイヤ」の元となった家紋とされています。
柏餅に用いられる葉
波状の切れ込みのある大きな葉が特徴です。
そのユニークな葉で包まれた柏餅は、端午の節句の伝統的なお餅です。
この柏餅はいわゆる”餅”ではなく、団子のようにうるち米を加工した粉(上新粉)を蒸して作られています。
関西にはカシワはほとんど無いため、柏餅にサルトリイバラやナラガシワの葉を用いています。
カシワ(柏)の語源とは!?
カシワの語源は「炊葉(かしは)」と言います。
弥生式土器の穴の空いた底に、カシワの葉を敷き、セイロ蒸しのように用いられていました。
”柏”は、中国から渡来したヒノキ科「コノテガシワ」で、日本ではカシワの木にこの漢字が当てられています。
樹形は似ていませんが、コノテガシワの葉も「炊葉(かしは)」になります。
また、鶏肉を「カシワ」と呼ぶのは、羽色がカシワの紅葉に似ているからと言われています。
カシワ材の特徴と魅力を紹介!
カシワ材はビール樽やブドウ酒樽として古くから用いられています。
その他にも、建築や家具、薪や炭、シイタケ原木などにも用いられ、用途は非常に広いです。
樹皮からはタンニンをとり、革をなめす際の”なめし剤”として用いられています。
植物性のタンニンは、化学薬品のクロム剤を用いた革よりも、自然なツヤがでることで知られています。
なめし作業に手間がかかりますが、使い込むほどに革が柔らかくなり、ツヤが増していく特性があります。
現在日本では、ミモザの木から採れるタンニンを主に用いています。
ちなみにタンニンは「革をなめす」という意味の「Tan」から由来しています。
なめす前は「皮」で、なめした後は「革」の漢字の使い分けがあります。
最後に -セブンスターの木-
北海道・美瑛町は丘の町として有名です。(美瑛観光協会)
「パッチワークの路」には、広大な畑風景が広がっています。
その360度美しいパノラマの中に、一本だけ立っているカシワの木があります。
別名「セブンスターの木」と呼ばれています。
1976年、タバコ「セブンスター」のパッケージに、この木の写真が掲載されたことから名づけられました。
この木を写真に収めようと、今なお多くの観光客が訪れる人気スポットです。
その他にも、美瑛町には「ケンとメリーの木」があります。(美瑛観光協会)
日産スカイラインのCM「愛のスカイライン・ケンとメリー」で起用されたことがきっかけで、一躍有名となりました。
「ケンとメリーの木」はポプラの木です。この木は90年生以上の老木で風情があります。
「ポプラ」は英名でヤナギ科の樹木です。詳しくは「ヤナギ(柳)の特徴と魅力まとめ!日本の四季の移り変わりを知るせるヤナギを一覧紹介!」で解説しています。
美瑛町は、その他にも「青い池」が有名で、観光スポットが非常に多いです。(以下の記事参照)
北海道に行かれた際は、ぜひ美瑛町を訪れてみてください。
以上が「柏餅で有名なカシワ(柏)の木とは!?セブンスターの木の魅力を紹介!」の解説になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。
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