日本は、国土面積約3,800万haのうち、森林面積が約2,500万haを占めています。(1ha当たり100m×100m)
この森林率は国土の約70%に相当し、OECD(経済協力開発機構)の加盟国の中で、フィンランド(73%)についで、世界2位の森林大国です。
また、世界の森林率が約30%であることと比較すると、日本の森林率が非常に高いことが分かります。
森林面積約2,500万haの内訳は、約60%(約1500万ha)が天然林であり、残りの約40%(約1000万ha)が人工林の構成になっています。(下図参照)
この人工林のうち約70%が主伐(皆伐)時期である50年生以上を迎えており、本格的な利用段階に入っています。
そのため日本は現在、かつてないほどに森林資源が充実している状況です。
また主伐(皆伐)や間伐、そして植林を行うことで森林サイクルを作り、森林を健康な状態に維持することが重要です。
そうすることで、より若い樹木が二酸化炭素を効率的に吸収し、地球温暖化対策に貢献できます。
森林サイクルについては「森林伐採は二酸化炭素を削減し地球温暖化を止める!?」で紹介してます。
所有林の管理で収益を上げる方法とは!?
日本は住宅地や農地にも共通していますが、森林地も細かく区切られています。
日本では、森林所有者の全体の約87%は、所有林面積が10ha未満です。(農林水産省:2015年農地センサス)
例えば間伐を行う際、林業機械(木材運搬車など)を導入するための林道が必要になります。
林道をすでに開設している場合や、森林地が道路に面している場合は新たに林道を開設する必要はないです。
しかし、林道を新設する場合には1m当たり約2,000円の費用がかかります。(幅3mの林道を開設する場合)
※1m当たり約2,000円の金額は平均額であり、土壌が悪い場合や橋作成する場合、水路を確保する場合などはその限りではありません。
そのため、林道を開設して林作業を行う場合は、隣接する所有林をまとめて作業を行なった方が、開設作業が一度で済み、低コストで効率的な林道を設計することが可能となります。
その結果、全体の作業コストを抑えることができ、丸太を出荷をして得る収益は大きくなります。
また所有林をまとめ、一定以上の森林区域に達した場合は森林経営計画を作成することが可能となり、補助金を受けることが出来ます。
一例ですが、林道の開設の場合は1m当たり約2,000円の補助を受けることが可能です。(京都府)
この結果、林業開設の部分の経費が抑えられ、木材を出荷して得た収益分が大きくなります。
また、その他の林作業にも補助金がおりています。(以下の記事参照)
ただし、森林経営計画を作成する際には、一定面積以上の所有林が必要となります。
森林経営計画には「林班計画」「区域計画」「属人計画」の3種類があり、最低でも25ha以上が必要となります。(以下の記事参照)
このように作業コストを抑える面でも、補助金を利用する面でも、隣接する所有林をまとめた方がメリットがあります。
※他の所有者の森林ともまとめて森林経営計画を作成できます。
最後に -次回記事の予定-
お疲れ様でした。
以上が「所有林の管理で収益を上げる方法とは!?世界有数の日本の森林率を紹介!」になります。
本記事は以上の紹介までにしたいと思います。続きは次回の記事になります。
オーストリアは、急峻な地形や細かく区切られた所有林状況が日本と似ていますが、日本と比べ林業が盛んで、伐採後の植林が盛んに行われており、健全な森林サイクルが形成されています。
次回は、芸術と自然の国”オーストリア”の魅力と、日本が森林・林業で学ぶ点について紹介します。(以下、次回記事)
※本記事は「森林・林業白書 (林野庁)」を参照しております。
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