集成材や合板を接着する際には、接着剤が用いられています。
集成材とは、細い角材を繊維方向に合わせて接着した木材です。
また合板はベニヤ板を積層させ接着した板です。複数枚のベニヤ板を繊維方向が交互になるように接着し強度を上げています。
このベニヤ板は、丸太を大根のかつら剥きのように剥いた薄い板を指しており、厚さは0.6〜3mm程度の単層(1枚)のものを呼びます。
一般的にはラワン材を薄く剥いだものをベニヤ板と呼び、ホームセンターでよく見かけるベニヤ板はラワン材が多いです。
接着剤の原料は石油であり、この接着剤から揮発するVOC(Volatile Organic Compound)が、シックハウス症候群の原因とされています。
シックハウス症候群の原因として、よく耳にするホルムアルデヒドはVOCの一つで、2000年にはシックハウス症候群の人口は500万人いたとされ、国民病とされていました。
そのため現在では、集成材や合板に用いる接着剤の研究がなされ、ホルムアルデヒドの出ないものが使用されています。
また、ホルムアルデヒドが含まれた建材は一定面積以上の使用が制限されており、気密性の高い住宅では24時間換気システムなどの機械換気設備の設置が義務づけられています。
その結果、シックハウス症候群の発症人口は、それでもまだ多いですが、現在数十万人まで減少しています。
※シックハウス症候群の原因はその他にも、カビや細菌、ダニ、粉塵や黄砂など様々です。
どの集成材や合板であれば安全であるのかの判断は難しいので、家を建てる際は依頼業者に聞いてみるといいでしょう。
集成材や合板と無垢材の違いとは!?
集成材や合板は何かと無垢材と比べられます。
また集成材や合板は、その品質や耐久性が安定しています。
これは、角材や木片にすることで丸太と比べ乾燥が容易であることに起因しています。
木材に含有する水分量が多いと、反りや狂いの原因になるため、乾燥は非常に重要な工程です。
また前述の通り、複数の木材を貼り合わせて作るため、大きさや色味などを統一することが可能です。
集成材や合板は、無垢材のように調湿機能は優れていないですが、木材が持つ木のぬくもりを十分に感じることができます。(以下の記事参照)
集成材や合板は、無垢材と比べて安価です。そのため木のぬくもりは感じたいけれども、安価で品質は良いものを選びたいという方にはオススメです。
しかし耐久性はありますが、無垢材と比べると固く冷たいです。
また、無垢材のように調湿機能がなく、夏場の室内はジメジメしてしまう傾向にあります。
そのため夏は除湿機、冬は床暖房や電気カーペット、靴下を履くなどの対策が必要となります。
木材の長所と短所とは!?
木材の長所は、日本では原材料として入手しやすいことです。
また、切る・削るといった加工が容易で、現場での接合が可能な作業に適した材料です。木材の比重は約0.3〜0.8g/㎤程度と非常に軽量です。(水の比重1g/㎤)
これは、他の構造用材料の鉄(比重7.8g/㎤)やコンクリート(比重2.3g/㎤)に比べても、極めて低い値となっています。
また、木材は縦方向(繊維方向)の比強度が大きく、引っ張り強度で鉄の4.4倍、コンクリートの225倍あると言われており、耐久性にも優れています。
さらに、断熱効果も高いといった長所があります。(以下の記事参照)
これらの長所がある木材ですが、短所としては可燃性であり火災に弱い点が挙げられます。
また吸水性・吸湿性があるため、高温・高湿化では腐食しやすく節や割れがあり、無垢材は均質に揃えることが難しいです。
そのため現在では、環境や人に優しい塗料も開発され、改良されてきている面もありますが、鉄やコンクリートと比べ劣る点でもあります。
さらに、天然材料であるため生育に時間がかかり、長大の材料が大量に得にくい、木材中の水分量により変形を起こしやすい、菌や虫に侵されやすいといった短所があります。
最後に -無垢材の良い点・悪い点を紹介-
無垢材は良いと言っても、集成材や合板と比べて伸び縮みするため、時には生活に支障をきたすこともあります。
そのため、手直しや改良などのメンテナンスが必要となります。
建材として無垢材を使うことは最良ではありますが、価格の面から全てを無垢材にすることは難しいです。
現在国内の林業は、ラワン材などの海外から輸入された集成材や合板に押される状況が続いています。
しかし我々林業会社は、品質の良い木を適切な価格で取引をする仕事でありたいと願っています。
そして木の価値が再認識され、日本の木材流通事情が少しでも良い方向へ改善されることが、この「Woodyニュース」を始めた一つの理由でもあります。
「Woodyニュース」を通じて、さらに森林や林業についても関心を持って頂けると幸いです。
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