ウルシはウルシ科、ウルシ属の落葉広葉樹で、樹高10~15mになります。

 やや寒冷な土地を好み、北海道から九州まで全国に分布していますが、会津塗りや津軽塗りが有名であるように、漆塗り用として東北地方に多く分布しており、また品質が良いとされています。

 岩手県二戸市の浄法寺漆は国産漆の約70%の生産量を誇ります。

 先日焼失した首里城などの重要文化財の修復に必要な漆は、年間2.2トンと試算されており、国産漆の生産量は1.2トンしかなく大幅に不足している状況です。

 しかし近年は、文化財保護の観点から「ふるさと文化財の森」の取組みにより、徐々に生産量及び漆掻き職人の数が上向いてきています。(以下の記事参照)

 また、ウルシ科は美しく紅葉するため、写真の被写体になることが多いです。

 ウルシ科には、ウルシの他にヤマウルシやハゼノキ、ツタウルシなどが分類されています。

 これら全ての樹木は、樹液成分に”かぶれ”の原因となる「ウルシオール」や「ラッコール」を含んでおり、強いかぶれを起こす場合もあるので、美しい紅葉に惹かれても、近づく際は注意をして下さい。

 紅葉の他にも、お子さまとカブトムシやクワガタを取りに行かれる際も、同様の状況が考えられます。

 そのため間違って触ることの無いよう、本記事ではウルシ科の見分け方について紹介していきます。

かぶれに注意!紅葉が美しいウルシ科の特徴と見分け方を紹介!

 結論から述べますと、他の樹木と比べ、ウルシ科は葉柄や葉軸が赤みを帯びていることが多いです。

 基本的には、葉を見て判断していきます。

 それでは、ウルシ科の各樹木の特徴や見分け方について紹介していきます。

“ウルシ”の特徴と見分け方を紹介!

 ウルシは他のウルシ科の樹木と比べ、樹高が10~15mと高木なものが多いです。中には、25mに及ぶ高木なものもあります。

 また樹高成長に比べ幹は太らず、葉は羽状複葉で、枝先にまとまって付きます。

 さらには、ウルシの葉は丸みを帯びており、他のウルシ科と区別することができます。

 また、紅葉は黄色く色付き、紅葉は10月上旬と早いのも特徴です。

 しかし、多くは産地に栽培されており、野生のウルシはあまり見られないです。

“ヤマウルシ”の特徴と見分け方を紹介!

 ヤマウルシは、古来より日本に自生していた日本原産のウルシ科の樹木です。(以下の記事参照)

 また、ヤマウルシからは漆が採取されていないことでも知られています。

 しかし、日本原産の樹木ということもあり、林内で数多く生息しています。

 樹高は2m〜3m程度と低く、最大でも8mほどであるので、他のウルシ科の樹木と見分けが付きます。

 また幹はウルシに比べ、極めて細い点も特徴的です。

 紅葉は赤色やオレンジ色に染まり、日本の樹木で最も早く紅葉することで有名です。早いものでは、8月下旬から紅葉するので良く目立ちます。

 また、葉はウルシよりも幅が狭く、小ぶりであることから区別できます。

“ハゼノキ”の特徴と見分け方を紹介!

 ハゼノキの特徴については以下の記事で紹介しています。

 ハゼノキは同じウルシ科ですが、主に果実から蝋を採取するため「ロウノキ」と呼ばれ、江戸時代に数多く植林されたため、各地で野生化し現在に至ります。

 ハゼノキの葉は厚く硬いのが特徴です。

 またヤマウルシと比べ、葉の表面や柄に毛が生えてない点から区別することができます。

最も注意!”ツタウルシ “の特徴と見分け方を紹介!

 ツタウルシは「ツル植物」で、他の木の幹に葉を巻きつけています

 晩秋に赤や黄色に紅葉し、非常に色鮮やかであるために被写体になることが多いです。

 またツタウルシが他のウルシ科と比べ、最もかぶれやすいとされています。

 そのため、誤って触らないようにしましょう。

 また「ツル植物」であるため「ツタ」と非常によく似ています

 ツタとの見分け方のポイントは以下の2点です。

  • 葉が必ず3枚1組
  • 幼葉は葉の周囲が赤色

 以上の2点に該当すれば、ツタではなく「ツタウルシ 」であるので注意しましょう。

最後に -長袖・長ズボンと手袋は必ず-

 本記事では、他の樹木との見分け方のポイントを紹介しました。

 このポイントを押さえた上で、怪しい樹木を見かけた際は「近づかない、触らない」ようにしましょう。

 また森林に入る際は、かぶれる危険性があるので、長袖・長ズボンと手袋を着用するに越したことはありません。

 以上の点に注意の上、紅葉やハイキング、昆虫採集など、森林を楽しみましょう!

 以上が「かぶれに注意!紅葉が美しいウルシ科の特徴と見分け方を紹介!」になります。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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