植物にも性別があります。例えばイチョウにも性別があり、銀杏が成るのは「メス」の木だけです。そのため実が落ちて道が汚れないように、街路樹では「オス」の木だけが植えられているところもあります。
また、キウイにも性別があり、オスの木とメスの木とそれぞれの個体が存在します。その他にも、モチ、ヤナギ、アケビ、ビワ、オリーブ、ソテツ、カツラ、キンモクセイ、ポプラ、モチ、サンショウなど「雌雄異株」と呼ばれる木は数多くあります。
植物に「性別」はあるのか!?そのメリットを解説!
しかし、全体の割合で見ると、オスとメスの木と明確な雌雄個体が存在しているのは、全体の5%〜6%と考えられており、基本的には一つの花の中に「雄しべ」と「雌しべ」の両者がついている両性花を持つ個体とされています。
少し話は脱線しますが、りんごはメスの実であり、果実ではなく偽果と呼ばれ、人が食べているのは種子の部分ではなく、花托(かたく)と呼ばれる種子を取り囲んでいる部分に当たります。
木は動かない理由とは!?
植物は光合成によって、エネルギーである糖を得ることが出来ます。そのため、動物のように動いて食べ物を探す必要はありません。
しかし、子孫を残すという観点で考えると、動くことができない木はパートナーを自ら探すことができないため、デメリットとなります。そのため、花の中に「雄しべ」と「雌しべ」を両方持ち、自家受粉を行います。
自家受粉の欠点とは!?
自家受粉には欠点があります。それは、より強い子孫を残すためには、遺伝子的に離れた個体との種子を作る必要があるからです。例えば、ある病原体に弱い性質も持っていると、その性質が次の子孫に引き継がれて行き、やがて絶滅します。
そのため、実際には風や虫によって花粉を飛ばし、より離れた遺伝子を持つ個体と受粉を行うように木は進化していきました。そうすることで、様々な特徴を持つ、子孫を次々に残すことができ、環境の変化や新種の病原体が出現しても生き残ることができるのです。
最後に – 強い子孫を残す工夫 –
植物は子孫を繁栄させるために工夫し、進化していきました。しかし、同じ花の中に「雄しべ」と「雌しべ」があると、自家受粉してしまう危険性があります。そのため花粉を飛ばす「雄しべ」よりも「雌しべ」のを長くしたり、また「雄しべ」と「雌しべ」の熟す時期をずらしたりといった工夫を行なっている植物もあります。
現在、林業でも苗木の品種改良を行い、花粉を飛ばさない「杉」や寒さや厳しい環境にも強い品種が選定されています。
植物は様々な性質を持つ子孫を残そうとしますが、林業や農業において、人間が栽培する場合にはあまり良いことではありません。この「多様性」よりも「均一性」が求められる点からすると、「植物」も「人間」も生きている環境は同じであると考えてしまいます。
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