ドングリは「クヌギ・ナラ・カシ・シイ類」の果実を総称するものです。
またこれら樹木は、全て広葉樹です。
広葉樹の覚え方については以下の記事で紹介しておりますので、ご参考下さい。
また、どの樹木の果実が「ドングリ」と呼ばれるかは地域によって様々です。
しかし、狭義では「クヌギ」の実をドングリと指す場合が多いです。
本記事では、種類が多いドングリの木を網羅的に紹介しております。
最後まで、お付き合い頂けると幸いです。
[まとめ]ドングリの木の種類を網羅的に紹介します!
ドングリは樹木によって形は様々です。
以下に、ドングリの形別に樹種を分けています。
このように大きく形で、5種類に分けることが出来ます。
また一般的に見ると、クヌギ・ナラ類は東日本の落葉広葉樹の代表的な種類であり、シイ・カシ類は西日本の常緑広葉樹林に多い種類です。
※常緑広葉樹は一般的に「照葉樹」とも呼ばれています。
アク抜きの必要なドングリが全て東日本に分布するため、アク抜きの技術は東日本で発達したという説があります。
また、雑木林に生えている樹種の大半は「クヌギ」や「コナラ」です。
これにミズナラ、カシワ、クリなどが混在していることが多いです。
そのため、雑木林は「どんぐり林」と呼ぶことが出来ます。
雑木林に生える樹木の見分け方については、以下の記事で紹介しています。
アク抜きが必要なドングリとは!?
ドングリは、アク(灰汁)抜きしないと食べれないものと、そのまま食べれるものがあります。
シイ類はアク抜きが不要でありますが、カシ類は水によるアク抜きが必要です。
さらに、ナラ類は水によるアク抜きに加えて、加熱が必要になります。
ドングリのアクは水溶性であり、これが渋みの原因になっています。
同様に渋柿にもタンニンが含まれており、これを天日干しにすることで不溶性となり、甘い糖分だけを感じる干し柿が作られています。
詳しくは、以下の記事で紹介しております。
トチの実のアクは、タンニンに加えて、水溶性の「サポニン」や「アロイン」を含んでいます。
冬季に食料が不足していた時代は、ドングリを保存食としてアク抜きを行い、食べられていましたが、現代は全く見なくなりました。
しかし、トチの実から作った「栃餅」は美味であり、現在でも栃餅を作っている地域は少なくないです。
「トチの実」のアク抜きの方法については、以下の記事で紹介しています。
また縄文時代から「ドングリ・トチ・クルミ・クリ」などの木の実が利用されていました。
岡山県・宮の前遺跡からは、ドングリなどの「木の実の貯蔵穴」が発見されています。(岡山県埋蔵文化財調査報告書:14ページ目)
最後に – そもそもドングリとは!?
どんぐりころころ ドンブリコ
お池にはまって さあ大変
どじょうが出て来て こんにちは
坊ちゃん一緒に 遊びましょう
「どんぐりころころ」青木存義
そもそもドングリとは、樹木が子孫を残すための種子です。
これら樹木は、動物散布によって遠くに運んでもらうために、栄養価の高い実にすることで、動物に振り向いてもらえるよう工夫しています。
しかし美味しすぎては、完食されてしまうため「タンニン」が適度に含まれているのです。
詳しくは、以下の記事で紹介しています。
昔は人里には必ずと言ってよいほどあった”雑木林”も、住宅開発などにより切り開かれドングリは姿を消しつつあります。(以下の記事参照)
そのため最近では、ドングリを見かけることも少なくなりました。
「どんぐりころころ」で始まるあの有名な歌もあまり歌われなくなり、人々からドングリが身近なものではなくなっているように感じます。
ですが雑木林に行けば、ドングリは今でも落ちています。
ぜひ一度、雑木林でドングリを探してみると、いい息抜きになるかもしれませんね。
以上が「[まとめ]ドングリの木の種類を網羅的に紹介します!」になります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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※本記事は「有用草木博物辞典」を参考にしております。