環境問題への注目度は、年々増しています。
たとえばハイブリッド自動車が増えたり、某有名コーヒーショップのストローが”プラスチック”から”紙”へ変わったりと、私たちの身の回りで環境に配慮した取り組みが見られます。
本記事では、そのような変化の背景にある、普段はあまり馴染みのない”お金の動き”をシェアしていきたいと思います。
過去に本サイトで「パリ協定」を取り上げましたが、これと深く関係しているのが”ESG投資”( Environment:環境・Social:社会・Governance:ガバナンス)です。(以下の記事参照)
そして、このESG投資の流れの中で、存在感を増しているのが「グリーンボンド」と呼ばれる”社債”であります。
今後きっと、注目されるキーワードであるので、言葉だけでも覚えていただけますと幸いです。
”ESG投資”とは!?
まず初めに、”ESG投資”について説明します。
近年”投資家”が、投資を行う企業を選ぶ際の”指標”として、
・環境へ配慮しているかどうか。
・企業の”社会的価値”や”透明性”の高さ。
に注目する動き、また重視する風潮が高まっています。
これは投資家が、配当などの”短期的な見返りを求めるだけではなくなった”ということを意味しています。
これにより、長期的に”社会”や”環境”に貢献する企業への投資を優先し、そのような企業活動を後押ししているのです。
このような投資を「ESG投資」と呼びます。
つまり、世間の環境問題への意識が高まったことによって、世界各地でお金の流れが”環境負荷の小さい企業活動”へと向かっているのです。
”グリーンボンド”について -社債と国債の違いとは!?-
企業が必要となる資金を調達するため方法の一つに、「社債の発行」があります。
これにより、投資家から”資金を借入れ”することができます。
また「日本が借金を膨らませている」とされる「国債の発行」も同様です。
これは、国が発行する「国債」を”国民”が購入する仕組みとなっています。
この場合、発行元は”国”であるので、潰れるリスクが”非常に低い”というメリットがあります。
この債券の会社版が「社債」であり、英語名で「ボンド」と呼ばれるものです。
そして、この頭に”グリーン”が付くことで「グリーンボンド」と呼ばれるキーワードとなります。
グリーンボンドは第三者の公平な機関による「環境に優しい活動」にしかお金が使われないという”お墨付きをもらった社債”です。
「環境に優しい活動」には、以下の事業が該当します。
・”再生可能エネルギー”に関する事業
・”自然資源の持続可能な管理”に関する事業
・”生物多様性の保全”に関する事業
このように、企業のグリーンボンドを購入することで、さらに環境保全にも貢献できるという魅力があります。
また、グリーンボンドを発行する企業にとっても、これが”付加価値”となり、一般的な社債よりも確実に資金を集めることが出来ます。
しかしながら、これによりグリーンボンドの発行の際には、
・資金使途の審査。
・使用実績の管理。
・外部への公表。
など厳しい条件をクリアし、第三者の評価が必要な仕組みとなっています。
最後に – お金の流れが地球環境を変える!?
このグリーンボンドは、2007年に世界で初めて発行され、日本では2014年に初めて発行されました。
そして、ここ数年でグリーンボンドの発行数は大きく伸びています。
またこれにより、”不動産会社”や”ゼネコン”による環境負荷の低い開発案件や、輸送インフラ会社の低エネルギー輸送の実現への、新たな取組に一役買っています。
”グリーンボンド”から話は逸れますが、環境意識の高まりの例として、先日、日本の銀行が「新規の石炭火力発電プロジェクトには”原則融資は行わない”」と発表しました。
このように「地球環境に良いことにもっとお金を使えるようにしよう」という動きが、巻き起こっています。
今後、これらの動きが活発となることで、”森林管理”や”再生可能な木材資源の活用”の重要性が再認識されるのかもしれません。
以上が「世界が注目する”グリーンボンド”とは?環境意識がお金の動きを大きく変える!?」の解説になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。
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