近年「和ろうそく」の需要が高まっています。
和ろうそくとは、ハゼノキやウルシなどの果実から採れる植物性の蝋を原料として作った蝋燭です。
一つ一つ果実を採取し、熱して蝋の抽出を行い、手作業で「和ろうそく」が製造されます。
このように手間が掛かるため、製造数が限られ高価なものが多いです。
対して「西洋ろうそく」は、石油から採れるパラフィンを用いるため、大量の原料と機械を用いた大量生産が可能です。
そのため「和ろうそく」と比べると安価になります。
また「和ろうそく」は「西洋ろうそく」と比べ、以下の長所があります。
なにより「和ろうそく」は、ゆらゆらと大きく燃える炎や、ほのかな蝋の香りなどの風情があります。
本記事では、そのような「和ろうそく」の種類と作り方について紹介していきます。
また、西洋ろうそくとの違いと魅力についてもご紹介しています。
最後までお付き合い頂けると幸いです。
和ろうそくの種類と作り方を紹介!
ご興味がある方は、以下のURL (Youtube動画)を参考に「和ろうそく」の製造の様子をご覧ください。
また、サイエンスチャンネルでは「西洋ろうそく」の作り方や違いについても紹介されています。
> THE MAKING(264)ろうそくができるまで (サイエンスチャンネル)
> 和ろうそく (京都伝統産業ふれあい館)
「和ろうそく」ができるまでの手順を以下にまとめます。
このままでも「自家製ろうそく」として、和ろうそくの炎を楽しむことが出来ます。
製品として売られている「和ろうそく」の場合には、芯に「和紙」や「イグサの茎」を使うことで、火を点火し液体になった蝋を吸い上げる効果があります。
このため「液だれ」がほとんど発生しません。
また「和ろうそく」には「絵蝋燭」といった楽しみ方もあります。
「絵蝋燭」は火を付けることなく、お花の代わりにお供えする蝋燭です。
また、白色の和ろうそくは、葬儀や中陰、年忌法要や祥月命日など、法要の際に使われることが多いです。
赤色の和ろうそくは、浄土真宗の方に使われることが多く、七回忌からの年忌や彼岸、お盆などで使われています。
このように「和ろうそく」には、様々な長所と魅力があります。
木ロウと漆ロウの産地とは!?
和ろうそくは江戸時代に開発され、明かりのない生活から次第に「和ろうそく」が普及していきました。
※「和ろうそく」が普及したエピソードについては、以下の記事で紹介しています。ご興味のある方は、是非ご覧ください。
この時代、和ろうそくは主に「ハゼノキ」の果実から抽出した「木ロウ」を原料に作られていました。
また、ハゼノキは「ウルシ科」に属しており、同様にウルシの果実からも蝋が抽出されます。(以下の記事参照)
ウルシの果実から抽出された蝋は「漆ロウ」と呼ばれ、同じく「和ろうそく」に位置づけられています。
ウルシは雌雄異株で、主に雄株の幹からは「漆」が、雌株の果実からは「漆ロウ」が採取されます。
※同じウルシ科でも「ハゼノキ」からは漆は採取できません。漆の採取方法については以下の記事で紹介しています。
古くは、四国地方や九州ではハゼノキの果実から「和ろうそく」を作り、東北地方ではウルシの果実を使用していました。
しかし、漆ロウの生産は徐々に減少し、現在では一般的に「和ろうそく」と言えば「木ロウ」であると考えて良いでしょう。
また、ナンキンハゼからでも良質な蝋が採れます。
※ナンキンハゼの蝋については、以下の記事で紹介しています。
ナンキンハゼの果実は、各地至る所で採取できるので、一度「自家製の和ろうそく」を作ってみるのも良いかもですね。
ナンキンハゼの「自家製の和ろうそく」の作り方については、以下の動画で紹介されてましたので、添付いたします。
> ナンキンハゼの種子でロウソクを作ろう (JSS 科学実験データベース)
※「木ロウ」や「漆ロウ」の作り方と同じです。
最後に – 西洋ろうそくとの違いと魅力とは!?
このように「和ろうそく」には、一般的に用いられる「西洋ろうそく」比べ風情や歴史があります。
また和ろうそくの炎は「ぬくもり」や「優しさ」があり、この炎を眺めるだけでも心が癒されます。
「和ろうそく」に火をつけ、古来の人々と同じ方法で一度くつろいで見るのも良いかもしれませんね。
以上が「和ろうそくの種類と作り方を紹介!西洋ろうそくとの違いと魅力とは!?」になります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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