”木”は何十年もかけてゆっくり成長し、”草”は環境や場所を選ばず、成長スピードも速いです。
また一見すると、幹や枝葉を作る”木”よりも、”草”の方が構造がシンプルであるため、”草”が先に誕生したイメージがあります。
しかし、”草”のような”草本性”の植物が誕生したのは、恐竜時代の終わりである”白亜紀後期(約1億4,500万年前〜6,600万年前)”であり、実は”木”の誕生よりも後であるとされています。
本記事では、そのような植物の”起源”について紹介していきます。
最後まで、お付き合い頂けると幸いです。
”草”と”木”どっちが先に誕生したのか!?植物の起源を紹介!
”木”や”草”は、人類の祖先が誕生するよりも、さらに以前より誕生しました。
地球の誕生は今から”約46億年前”であり、最初の生命が誕生したのは”約38億年前”とされています。
そして、光合成を行う植物の先祖である”藻植物”が誕生したのは”約35億年前”であり、地盤の隆起により、”5億年前”に”植物”が上陸しました。
また、”海藻”と”植物”が同じように”緑色”を呈しているのも、この起源が関係しています。(以下の記事参照)
その後、海の浅瀬から徐々に生息地を拡大し、植物を支える”根”や”茎”、”葉”が発達し、シダ植物が大量発生しました。
恐竜の誕生が”約2億3000万年前”、人類の先祖の誕生が”約6500年前”とされているので、植物はそれよりもはるか昔から、地球上に存在しています。
”木”の起源と進化の歴史とは!?
”木”は恐竜時代に、シダ植物から進化を遂げ、巨大な”木”となりました。
恐竜時代は気温も高く、光合成に必要な二酸化炭素濃度も高かったために、植物の成長が盛んに行われ巨大化しました。(以下の記事参照)
そして、巨木についた”木の葉”を食べるために恐竜も巨大化し、さらに”木”も恐竜に食べられないように巨大化していきました。
このように”木”と”恐竜”は、共に進化をしていきました。
そうしてさらに、植物は”シダ植物”から”裸子植物”や”被子植物”へと進化を遂げていきました。(以下の記事参照)
”草”の起源と進化の歴史とは!?
”草”である草本性の植物が誕生したのは、”白亜紀後期(約1億4,500万年前〜6,600万年前)”であり、この時代に大陸は分裂し、気候が変化していきました。
このように、生息していた環境が不安定になると、植物はゆっくりと巨木に成長する余裕が無くなります。
そのため、短い期間に成長して花を咲かせ、種子を残して子孫を繁栄させる”草”が誕生したと言われています。
このように生命の危険が脅かされる際に、子孫を残す習性は、現代の「スギ花粉」にも見られる現象でもあります。(以下の記事参照)
この他にも、植物はさまざまな方法で子孫を残す方法を試行錯誤し、進化を遂げてきました。(以下の記事参照)
”草”と”木”の構造的な違いとは!?
”木”には「形成層」と呼ばれる”成長層”があり、この層が成長することで”幹”が太くなっていきます。
また、季節によって成長速度が異なるため”年輪”ができます。
日本では、太陽光が十分にあり、光合成が活発に行われる”夏”にもっとも成長し、”冬”に成長速度が遅くなります。
そのため、”木”が常に成長できる熱帯地域では、通常年輪ができません。
※”洪水”や”干ばつ”などの環境の変化によって、成長量に変化が生じた場合には年輪ができることもあります。
一方、”草”には形成層はなく、ある程度で成長が止まります。
すなわち”木”と”草”の違いは、この「形成層」の有無が挙げられます。
”竹”は形成層はありませんが、例外的に”木”に分類されています。(以下の記事参照)
最後に -もともと自然界には区別はない-
このように、”草”と”木”はそれぞれ進化を遂げてきましたが、たとえば”竹”が存在するように、自然界には明確な区別はありません。
しかし、それでは私たち人間が理解できないので、さまざまな区分を作って分類し、理解してきました。
たとえば富士山は、ずっと裾野が広がっており明確な境界はないように思います。
植物は環境に応じて適応してきたために、約5億年ものあいだ絶滅することなく生き延びてきました。
このように植物の生き方は、ずっと”臨機応変”で”自由”であるのでしょう。
以上が「”草”と”木”どっちが先に誕生したのか!?植物の起源を紹介!」になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。
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