森林経営計画とは「森林所有者」または森林の経営委託を受けた「林業会社」が、まとまりのある森林の5年を1期とする森林整備計画です。
森林経営計画を策定することで作業費用を抑え、補助金を利用できるため、森林所有者の収益が高くなります。(以下の記事参照)
しかし、森林経営計画を作成するには一定以上の森林面積が必要となります。
本記事では、森林経営計画の対象となる森林について解説していきます。
森林経営計画の対象となる森林
森林経営計画には「林班計画」「区域計画」「属人計画」の3種類があり、それぞれ次の条件を満たす必要があります。
林班とは、市町村界や、尾根・沢などの天然地形により、一般的には1つの林班が約50haとなるように設定されています。
ただし、林班面積は市町村によって様々で、1つの林班が10ha未満の市町村もあります。
林班計画
最も一般的な森林経営計画の方法です。
1つの林班または隣接する複数林班の面積の2分の1以上の面積規模が条件です。
区域計画
市町村森林整備計画によって定められる一定区域内において、30ha以上の面積規模であることが条件です。
属人計画
自ら所有している森林の面積が100ha以上であることが条件です。
林班界や区域界関係なく森林経営計画を作成することが可能です。
対象森林の必ずどれかに当てはまる!?
アルファベットのA, B, C・・・はそれぞれの森林所有者を表しています。
林班計画は、上図のように1人(A)でも林班面積の2分の1以上の面積規模の森林を所有していれば、森林経営計画を作成することが可能です。
また、他の森林所有者と森林をまとめることで、林班面積の2分の1以上に達すれば同じく森林経営計画を作成することが出来ます。
区域計画は、隣接する林班でなくても区域内であり、かつ面積規模が30ha以上であれば森林経営計画を作成することが出来ます。
属人計画は、さらに森林範囲が広い場合を指し、対象は1人の森林所有者です。
例えば、所有する森林が全国各地に存在しても、合計100ha以上あれば森林経営計画を作成することが出来ます。
※その場合、森林経営計画は各都道府県に提出する必要があります。
また、森林の経営を受託している森林も対象となるため、例えばAさんがBさんの森林の経営を受託している状況であれば、Bさんの所有林はAさんの受託森林となり、属人計画を作成することが出来ます。
このように、林班計画→区域計画→属人計画と順に面積規模は大きくなりますが、これら3種類どれかの計画にカバーされるようになっています。
最後に -税制上の支援控除-
お疲れ様でした。
本記事では、森林経営計画の対象となる森林について解説しました。
所有林の森林経営計画を作成するためには、他の森林所有者の方とまとめて計画することがポイントになります。
次回は、森林経営計画の作成したことによる税制上の支援控除について解説します。
森林経営計画は補助金のみならず、所得税や相続税の一部が控除されます。
また、森林経営計画の対象森林から伐採・生産された木材は再生可能エネルギーの固定価格買取制度が適応されます。
ぜひご興味がある方は、次回以降の記事もご参考にして頂けると幸いです。
また弊社へ森林経営計画の作成や、森林整備の依頼を希望の方は、下記ページよりお気軽にお問い合わせください。
以上が「必ずどれかに当てはまる!?森林経営計画の対象となる森林を紹介!」になります。
「Woodyニュース」はTwitterやFacebookでも、自然や森林に関する様々なニュースを毎日配信しています。ご興味がある方はフォローして頂けると幸いです。
またこの記事を読んで、少しでも森林や林業について関心を持って頂けると幸いです。