近年、海外では日本の桜の花見文化の人気が高まっています。
桜の花見は、平安時代(794-1185年)から始まる日本特有の文化です。
現在では、桜の開花シーズンである4月には、292万人(2019年)の外国人観光客が訪れる観光産業にまで成長しています。(日本政府観光局(JNTO)「訪日客数(総数)」)
これは、2014年の外国人観光客数が123万人であったことと比較すると、約2倍にまでに増客しています。
この桜の花見人気により、現在では海外の桜名所でも賑わいを見せています。
ワシントンDC・タイダルベイスンの桜名所では、世界各国から100万人を超える観光客が訪れています。(以下の記事参照)
このように日本の桜の花見文化は、世界でも認知されています。
しかし、日本で初めて花見を観た外国人観光客は「カルチャーショック」を受けるようです。
これは、そもそも海外には花見文化はなく、主に以下の点が海外と異ることが関係しています。(以下の記事参照)
これらの点で、初めて日本の花見を観た外国人観光客は驚くそうです。
しかし、これらの違いは、むしろ観光を楽しむ醍醐味でもあります。
そのため、春の季節&お花見イベント&日本文化を楽しみたい外国人観光客が中心であるようです。
また世界最大級の訪日メディア「ジャパンガイド」では、日本の桜の名所トップ10が紹介されています。
「ジャパンガイド」は、月間のサイト利用者数が180万人の日本旅行サイトです。
このサイトで紹介されている観光情報をもとに、日本へ訪日する外国観光客が多いそうです。
再生動画はYoutubeなので、日本語字幕での再生が可能です。
また、編集者は全て海外の方なので、日本の花見の文化が、どのように海外で捉えられているのかを垣間見ることができます。
本記事では、この「ジャパンガイド」の開設者である”シャウエッカー・ステファンさん”が書いた著書「外国人だけが知っている美しい日本~スイス人の私が愛する人と街と自然」を参考に、著者がお薦めする「外国人が選ぶ”桜の名所”3選!」をご紹介します。
また、この作者が桜の花見を観に日本へ初めて訪れた際の「桜の花見に対する印象」についてご紹介します。
最後まで、お付き合い頂けると幸いです。
外国人が選ぶ”日本の桜名所”3選!桜の花見に対する海外の印象とは!?
スイス出身のシャウエッカーさんが、1996年に立ち上げた「ジャパンガイド」は外国人向け日本観光情報サイトです。
カナダのバンクーバーに10年間住んでいた際に出会った日本人の奥さんと、2003年頃に日本へ移住し、現在では日本在住歴11年になるそうです。
以下に、シャウエッカーさんが感じた「日本の桜の花見の印象」についての引用です。
このように、花を楽しみ、宴会をしている日本人の姿を見て自分も楽しみ、屋台でお酒や食べ物を買って日本人の輪に参加できる点は、観光客にとっては楽しい旅行の思い出を作れる瞬間であるのでしょう。
確かに、海外で異国の文化にこれほど溶け込める文化は、数少ないのかもしれません。
このように日本を紹介してくれた、シャウエッカーさんがオススメする「外国人が選ぶ”日本の桜名所”3選!」についてご紹介していきます。
[3位] 福島・花見山公園 ”百花繚乱のユートピア”
ここは桜の見事さはもちろんですが、他にもたくさんの花が一斉に咲き揃って実に見事です。
一見の農家が植えた桜が広大な公園に育ったという歴史や、震災後も変わらない花を咲かせる力強さなど、心に響く場所です。
福島・花見山公園は「桃源郷」と称えられた百花繚乱のユートピアです。
花見山公園は、養蚕農園家が副業として山を開墾し、様々な花木を植えたことが始まりとされています。
著名な写真家「秋山庄太郎」が「福島の桃源郷あり」と紹介したことで全国に知られるようになりました。
園内は30分、45分、60分の3つの見学コースがあり、散策しながら楽しむことが出来るのも魅力の一つです。
見頃は、例年4月上旬~4月下旬頃になります。
梅やレンギョウ、モクレン、桜、ボケ、ハナモモなど、多彩な花々が小高い山いっぱいに広がり「春色のパッチワーク」を作り出しています。
花見山もその周辺地域も花木生産農家の私有地でありので、訪問する際はご配慮を。
詳細情報
[2位] 奈良・吉野町 ”優しく染まる日本一の桜”
古今和歌集が時代から愛されている歴史ある桜が人気です。
吉野山の桜は、現在約200種類で3万本が自生しており、圧倒的なスケールの桜景色を味わうことができます。
古来より「日本一の桜の名所」と呼ばれる所以は、奈良時代に役行者が金峯山寺を開くときに感動した蔵王権現の桜の木に刻み描いた故事から来ているとされています。
3万本の桜の多くは「シロヤマザクラ」であり、花は白色もしくは淡ピンク色です。
「シロヤマザクラ」は、開花と同時に赤茶色の若葉が出てくるのが特徴です。
見頃は、例年4月の中旬〜4月下旬にかけてとされています。
吉野山の桜名所でも、特に「上千本」から見える景色が有名です。。
また、上千本の「花矢倉展望台」からは、上千本、中千本、蔵王堂など吉野山全体が見渡せることができます。
ただし花矢倉展望台へは、金峯山寺から徒歩50分程度かかるのでご注意を。
詳細情報
[1位] 青森・弘前公園 “桜のテーマパーク”
・約50本種類、2600本の桜があり、いくつかの桜のスポットを一度で楽しめる。
・桜の多さだけではなく、美しい城を背景とした、桜や塀に舞い散る桜のシチュエーションが多彩です。
・ボートレンタルや桜のトンネル、夜のライトアップなど「桜のテーマパーク」と言ってもよいほど多種多彩な桜が見れます。
・花見のスペースがたくさんあることも魅力の一つです。
弘前公園は、ソメイヨシノを中心にシダレザクラ、ヤエザクラなど約50本種類・2600本の桜が植えられており、海外では「日本一の桜のテーマパーク」と謳われています。
これらの桜が、満開時には淡いピンク色に染まる公園内は豪華絢欄です。
その他にも「弘前雪明かり(満開時は純白)」や「ヤエベニシダレ(薄紅紫色)」「ウコンザクラ(黄色の花が特徴)」など品種ごとの桜の違いが楽しめる、まさに「桜の祭典」です。
そのため国内外問わず、毎年200万人を超える見物客が訪れています。
また、2018年には「弘前さくらまつり」は100周年を迎えた歴史あるイベントとして知られています。(4月26日~5月6日に開催)
弘前公園では、満開の桜が天守閣を包みこむ写真が撮れることも魅力の一つです。
このように、満開の桜と老松の緑など、数々の絶景を楽しむことができます。
その他にも、数々の魅力的なスポットが弘前公園にはあります。
詳細情報
最後に – 花見文化は日本の誇り
このように私たちにとって、毎年の恒例行事である桜の花見ですが、花見に対する海外の印象を知ることは、とても興味深いです。
海外の印象を知ると、日本の中で生活していると当たり前のことも、とても新鮮に感じることが出来ます。
また、日本文化の誇りを再認識することが出来ます。
そして、また違った角度から、お花見を楽しむことが出来るのではないでしょうか。
本記事が、そのお手伝いとなれば幸いです。
以上が「外国人が選ぶ”日本の桜名所”3選!桜の花見に対する海外の印象とは!?」になります。
本記事を参考に、お花見をさらに楽しんで頂けると幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
「Woodyニュース」はTwitterやFacebookでも、自然や森林に関する様々なニュースを配信しています。ご興味がある方はフォローして頂けると幸いです。