今回は、雑木の材価の仕組みや金額を紹介していきます。
雑木とは、雑木林に自生する樹木です。
雑木林の狭義は以下の通りです。
このように雑木林は、ヒノキやスギのように植林・管理された利用価値の高い針葉樹林ではなく、木材用途の主要樹木以外の林を指しています。
しかし雑木は近年需要が高まりつつあり、適材適所での利用に注目が集まっています。
本記事では、そんな雑木の材価の仕組みや、実際の金額例を紹介していきます。
本記事を参考に、樹種が分かれば雑木の大体の相場が分かります。
※一部の樹種の見分け方については、下記の記事で紹介しております。ご参考にして頂けると幸いです。
また森林に出かけた際に、今までと違った視点で雑木を鑑賞できると思います。
最後まで、お付き合い頂けると幸いです。
雑木の材価の仕組みや金額を紹介!値段は用途で決まる!?
十分な直径長のある雑木が、1本でおよそ幾らの金額になるのかをご紹介します。
まずは、下表の「主な雑木の立木1本の価格例」をご覧下さい。
このように、右から左へ移るにつれて金額が上がっています。
同じ樹種であるにも関わらず、高値と安値の違いが見られるのは、用途の違いによるものです。
一般的に、以下の用途によって材価が決定され、上に移るにつれて高価になっていきます。
このように、上に移るにつれて雑木の形状や大きさ、材質などの鑑賞的な価値が求められていきます。
上の表の「中」の高値は、突板や造作材が該当しており、これらの用途を見込んだ金額での買い付けがなされていきます。
また雑木の販売交渉は、まず「銘木」から始め、順に最適な利用方法を検討して値段が決められていきます。
そして最終的に、腐食や水割れ、規定の直径に満たないものなどは、チップへと加工されバイオマス発電に用いられます。
このように林業家は、雑木の状態を製材される前の丸太の段階で、見極める必要があります。
さらには「この樹種は〇〇市場へ卸した方が良さそう」というように、生産した丸太の卸先市場を判断していきます。
卸先によっては、丸太運搬にかかる費用の方が高くなってしまうケースもあるので、このような立木の値踏みが非常に重要になってきます。
しかし、この立木の値踏みができる林業家の数が近年急速に減少しており、後継者の育成が非常に重要になっています。
最後に -雑木の価値-
雑木林は、主に広葉樹で構成されており、広葉樹は重くて硬く強度があるため、キズが付きにくいという特徴があります。
また美しい木目から、テーブルや棚などの家具材としての利用価値が高いです。
雑木林は「価値のない林」ではなく、適材適所を心掛けることで、適切な利用がなされていきます。
本記事を読んで、これらの雑木にさらに関心を持っていただけると幸いです。
以上が「雑木の材価の仕組みや金額を紹介!値段は用途で決まる!?」になります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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またこの記事を読んで、少しでも森林や林業について関心を持って頂けると幸いです。